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Canadian North and Aurora Borealis

極北カナダとオーロラ [No012/2004.05.13]

先週のある朝、誰かがものすごい速さで家の壁をたたいていた。 「なんだまた酔っ払いか」と思いつつ、寝ぼけまなこで外に出ると、そこには真っ赤な頭のキツツキが居るではないか。 カメラ、カメラと家の中に入るときに逃げられてしまった。 ベッドに戻ると暫くしてまた同じ音が。 カメラに望遠レンズをつけ10メートル程から撮影をする。 穴あけに夢中なのか、少しずつ近づいてフラッシュを焚きながら撮影しても逃げない。 そのうち野良犬がやってきたために飛んでいってしまった。

翌日、また朝早くから穴掘りが始まり、撮影開始である。 もうかなり筆者にも慣れたのか、レンズの寄れる限界の2メートルまで近づく。 逃げない。 それにしても大きな穴を二つも開けられてしまい、このままでは修理が必要になるので、穴にカラシを塗っておいたのだが効き目なし。 その翌日も今度はツガイでやってきた。 よっぽど条件の
良い壁だったのだろうか? 仕方なく、大き目の鳥小屋を作り穴の上に設置した。 が、彼らは鳥小屋が気に入らなかったのか、それ以来訪れることはなくなってしまった。

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家の壁に穴を掘る赤ゲラ

昨夜は久しぶりにオーロラの出そうな状況であった。 11時ころまで暗くならないので何度も外に出て確認するが、真夜中まで何もなし。 ニート彗星が見えるはずなのだが、望遠鏡がないのでぼんやりとしか分からない。

極北では、もう既に真っ暗闇のない季節となっている。 66度33分以北の北極圏では、夏至の日をはさんでの日々、その緯度により全く太陽の沈まない日々がある。 たとえば、オーロラ撮影にもってこいのイエローナイフは緯度62度なので、夏至の日でも太陽が4時間ばかり沈む。 だが、沈むとは言っても太陽は地平線の下すれすれを、右に移動するだけなので残照で明るい。 この時期には夜中でも子供たちは外で遊び、大人もスポーツやガーデニングにいそしみ、みな寝不足になる。

キンコーラスは北緯55度と比較的南に位置するので、いまでも暗闇が訪れればオーロラが見れるわけである。 北の地平線に近いところから少しづつ緑色が広がってくる。 月が出ていないので村の街灯以外は真っ暗闇である。 何かしら音がすると、最近増えてきたクマではないかとびくびくする。 不思議なもので、一度熊のことを考え始めると、なんともその思いを振り切るのは容易でない。 が、日中に温められた花々が7度程度の冷気に漂い心地が良い。 突然、西の空にピンクの筋が現れる。 直ぐに筋は長く伸び、天頂を通り越して東の空にまで繋がる。 

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ピンク色の筋

10分ほどでこの筋も静かに消え去り、北の空に緑色のぼんやりとしたオーロラのみが残された。

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2004年5月13日 キンコーラス より。

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詳細は、こちらから。
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カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州最大の都市、バンクーバーにて、作者のオーロラ写真の展覧を行っています。 気軽に入れる、お洒落な居酒屋風レストランですので、当地にお越しの際には是非お立ち寄りください。

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