昨夜は明朝の撮影に備えて早く寝ようと思ったのだが隣人がニュースを伝えにき た。村の外れで狐の両親が子狐と戯れているとの事。慌ててカメラを用意し、自転車で急行 する。車を使わなかったのは既にアルコールを取っていた為。この村では見つかることも無いだろうが、だからこそ｢飲んだら乗るな｣を徹底しないといけない のだ。

現地まではずっと上り坂、ある程度近づいて自転車を降りる。するとカメラを出しているうちに狐に見つかり逃げられてしまった。車なら外に出ない限り数メー トルでも逃げないのに残念である。30分ほど森の中を歩き回るがもちろん姿を現すはずも無い。いつもの事だががっかりして自転車に戻ると目の前の家人 が、｢今日そこらにクーガー(マウンテン･ライオン)がうろついていたから注意しろ。｣と言う。そんなこと行く前に言ってもらわないと、と思いつつも、森 の中で見られているような気がしたのは狐ではなく、クーガーだったのだろうか。怖い、怖い。

最近またグリズリーの母子がナス谷に帰ってきた。去年ひと夏過ごした個体らし く、2頭の赤ん坊は大きくなっているとの事。昨春には3頭の子が居たので何らかのために1頭は死んでしまったのだろう。自然界ではよくあることだ。
http://www.blue-moon.ca/recent_album/No027.html

昨日目撃された場所がキンコーラスへ行く途中のハイウェイで、今ちょうど舗装工事をしているところ。しかしラッキーなことに昨日は舗装用の機材が故障の為 に工事が行われておらず、日中でもクマを見ることが出来たとのことだった。このハイウェイ(29km)、4年前に未舗装道路として30数億円で作られ、2 年前にはシールコートと呼ばれる簡易舗装をしたのだが既にボロボロで今回はアスファルトを施いていた。なんという税金の無駄遣いだろう。

工事時間は朝6時半から夕6時半とのことだったので、今朝は4時半起きで現地が明るくなる時間に合わせて出発した。ハイウェイに出たとたんコヨーテ発見。 まだ薄暗かったのとコヨーテは走っている最中だったのでシャッター･チャンスは無かった。その後中3頭のクロクマも見かけるが特別巨大な1頭を除きパス。


ちょうど昨日目撃された場所に母子はいた。エンジンを止め車内から撮る。10分もするとハハグマは危険を感じなかったのか岩の上で眠ってしまう。2頭の子 は車の直ぐ脇で草を食べながら動き回る。コグマとは言えグリズリーは大きく小さなクロクマほどの大きさだが、しぐさがとても可愛らしかった。一日眺めてい たかったのだがカナダのゆったりとした時間に似合わず工事関係者が6時半前に現れ、｢早く立ち去れ｣と犬を追っ払うように若い白人女性労働者に怒鳴られ る。やれやれ。


帰りにはビーバーを探しに行く。巣からでてくるのをじっと小1時間待つ、気温は5度と寒くも無くまだ虫もいないので快適だ。遠くの湖面が揺れたと思ったら ビーバーが顔を現した。普通ビーバーは臆病で逃げるのだがこの個体は私のことが気になったのかどんどん近づいてきて草の陰からこちらを窺っていた。こちら も動かずに観察すると急に大きな尻尾を水面に叩きつけて潜水、直ぐにまた顔を出して暫らくその辺りをうろついていた。いったいなんだったのだろうか?